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日日是好日(にちにちこれこうじつ)

今を生きる歓び。誰もが味わえる本当の自由。 「人生のバイブル!」多くの読者を救ったロングセラー・エッセイを映画化!

10/6(土)、7(日)、8(月・祝)先行上映<br>10/13(土)シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、渋谷シネクイント、イオンシネマほか全国ロードショー<br><br>(C)2018「日日是好日」製作委員会
10/6(土)、7(日)、8(月・祝)先行上映
10/13(土)シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、渋谷シネクイント、イオンシネマほか全国ロードショー

(C)2018「日日是好日」製作委員会
日日是好日(にちにちこれこうじつ)

■出演
黒木華 樹木希林 多部未華子 鶴田真由 山下美月 鶴見辰吾
■脚本・監督:大森立嗣(『まほろ駅前』シリーズ、『さよなら渓谷』、『セトウツミ』、『光』)
■原作:森下典子『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫刊)

Twitter:@nichinichimovie Facebook:@映画『日日是好日』

作品概要

今を生きる歓び。誰もが味わえる本当の自由。
「人生のバイブル!」多くの読者を救ったロングセラー・エッセイを映画化!


原作は人気エッセイスト、森下典子が茶道教室に通う約20年の日々を綴ったロングセラー。瑞々しく描かれる心象風景や青春像、そして「お茶」がもたらす人生訓的な“気づき”の数々は、茶道経験者の枠を越え、様々な岐路に立つ読者にとって心の拠り所となっている。主人公、典子を演じるのは黒木華。その卓越した演技力で、一人の女性の人生をたおやかに演じる。監督・脚本は大森立嗣。初タッグとなるこの二人によって描き出される時の流れは、美しく、そして儚い。武田先生を演じる樹木希林は「習い事の先生」という枠を大きく超えた人生の師匠として、大きな包容力で典子たちを導いていく。そして、典子のいとこ・美智子役の多部未華子が、お茶室に飾られる一輪の花のように映画に彩りを与え、静かな物語に躍動感を与える。日本映画界屈指の実力派キャスト・スタッフで贈る、一期一会の感動作がここに誕生した。

ストーリー

日日是好日−−それはお茶が教えてくれた幸せ。

青春のど真ん中を生きる典子(黒木華)といとこの美智子(多部未華子)は大学生。これからどんな人生を生きるべきか、まだ見当もつかないでいた。そんなときに典子の母親が「ただものではない」と言う茶道の武田先生(樹木希林)のもと茶道を習うことになる二人。決まりごとだらけのお作法にとまどい、時には嫌気がさしながらも、それでも二人は毎週お教室に通い続ける。
大学を卒業し、自分の道をどんどん切り開いていく美智子に比べて、いつまでも生き方が定まらない典子だったが、お茶との触れ合いを通して何かが彼女の中で少しずつ変わっていく。

見どころ

何と言っても樹木希林の存在感がハンパない。普段はどこかひょうひょうとしたユーモラスな役どころが多いが、この作品の彼女は凛としたたたずまいと穏やかさをたたえ、まさに「人生の師」と呼ぶにふさわしい雰囲気を漂わせていた。樹木希林という女優の幅広さを実感した。特に彼女がこの世界を旅立った後で見たためか、作品の中で彼女が語るいくつものセリフがご本人の言葉と重なるような気がして胸に深く響いた。茶道について語った「はじめに形を作っておいてあとから心が入るもの。頭で考えないの。」「そのうち手が勝手に動くようになります。」という言葉は、彼女の演技者としての姿勢を表しているようだし、毎年新年に行われる初釜の際に「私最近思うんですよ。こうして毎年同じことができることが幸せなんだなあって」という言葉には、最期の時を迎えようとしている彼女の想いが込められているようで、胸がじ~んとした。

一方、そんな人生と演技の大先輩を前に生徒役を演じる黒木華も見事だった。繊細さゆえに悩み戸惑う典子の想いを静かにじっくりと演じていた。不安と不明確さの中にありながら、教室に通い続けるうちに少しずつ内面が変化していく姿にこちらまで同調していくような感覚があった。お湯と水をそそぐときの音や季節ごとに変わる雨の音の違い、掛け軸の中に入り込んでその世界を垣間見るような豊かな想像力。一瞬一瞬をそのときのままに生きている感覚を一緒に感じているようだった。

いとこ役の多部未華子もとても魅力的だった。普段の作品より濃い目のメイキャップと装いで黒木演じる典子とは対照的な現代っ子らしい明るくさばさばとした女性を演じ、この作品に美しい花を添えていた。

そして、もう一つ特筆すべきは、作品の中に登場する数々のお茶の道具、色とりどりの和菓子、和服、庭の四季折々の自然などをとらえた映像である。どれもみずみずしく、ため息が出るほど美しかった。

豊かな庭園を鑑賞しながら、じっくりとお点前をいただいてみたい、という気持ちをかみしめながら家路についた。

(Text by Yumi)