よしかわ便り
八坂祭り直前に、「吉川甚句」を取材して来ました
今年の八坂祭りは東日本大震災復興支援の意味もあり、例年いちょう通りで行われる「神輿の競演」は“節電しよう”ということと警備上の問題で中止となり、各町会での催しとなりました。
各町会…???吉川市出身でない私にはどこにどんな町会があるのか分からない。
そこで、60年間八坂祭りに参加していらっしゃるという上河岸にお住いのTさんのお宅へ、お話を伺いに行って来ました。
その前に…甚句とは
民謡のひとつ。多く七・七・七・五の4句形式で、節は地方によって異なる。江戸末期から流行。越後甚句・米山(よねやま)甚句・名古屋甚句・博多甚句・相撲甚句など。「地(じ)の句」「神供(じんく)」の意からとも、また、越後国の甚九という人名からともいうが未詳。(国語大辞苑より抜粋)
吉川甚句は・・・
「吉川甚句」も400年前の江戸時代から受け継がれたもののようです。
Tさんによると吉川甚句は、町会によって「節(メロディ)」がほんの少しずつ違い、
歌詞は、各町会で共通しているものと、その町会独自のものや町会ごとに
アレンジしているものがあるそうです。
例えば・・・
「吉川の八坂祭りが二度あるならば かわいいあの子と二度会える」
これはどこの町会でも歌われます。
・上河岸地区でしか歌わない甚句
「福寿家のおもて2階の障子を開けりゃ 見れば中川、徳江橋」
・上町・下町・中町で歌われている甚句
「上町てるてる 下町で曇る あいの中町で雨が降る」
これは祭当番(年番と呼ばれています)が上町の時は祭り当日が晴れることが多く、
年番が下町の時は曇り、中町の時は雨が多い、という意味だそうです。
ちなみに、この甚句は下町では下記のように歌詞が変わるそうです。
「下町てるてる 上町で曇る あいの中町で雨が降る」
歌い手は・・・
各町会の歌い手がこの甚句を歌い終わると「あいょ!あいょ!」の掛け声で神輿が担がれ、
頭上高く放り上げられます。勇壮な「あばれ神輿」と呼ばれる所以です。
リズム、タイミング、担ぎ手の息と心を合わせるのが、歌い手の腕の見せ所です。
甚句を歌って神輿を担ぐのは全国でも珍しいものです。
よく歌われる「吉川甚句」
これは、俗に「どどいつ」と呼ばれるものの中から使われているものもありますし、
吉川独自の歌詞のものもあります。
ちょっと色っぽい歌詞もあるので、どこまで掲載許可が下りるか…。
ちなみにNHKでは放送されなかったという逸話も。
■「八坂祭りは ちょいさの祭り やっさもんだの 勇み肌 」
⇒私にはほとんど意味が分かりません。
■「何をくよくよ 川端柳 水の流れを 見て暮らす」
■「やぐら太鼓で ふと目を覚まし 今日はどの手で 投げてやろ」
■「えんじ口紅 だてにはつけぬ 年に一度の 祭りゆえ」
■「浅い川なら ひざまでまくる 深くなるほど 帯を解く」
⇒うーーーーん
■「入れておくれよ かゆくてならぬ 私一人が 蚊帳の外」
⇒深く考えない!
■「1日会わなきゃ 二日、三日、四日、五日、六日、七、八日 九日十日も会わぬよに」
⇒大丈夫か?
■「お相撲負けても 怪我さえなけりゃ 今夜はあたいが 負けてやる」
⇒レッドカード?
東北激励祭り甚句
この他に、今年は『東北激励祭り甚句』もTさんが作ったそうです。
運が良ければ各町会で聞けるかもしれません。
●東北に 明るい笑顔が かならずもどる きっともどるよ がんばろう
●何もなくても 元気があれば やがて笑顔の 花も咲く
●みんな一緒だ 力を合わせ 強い東北 立ち上がろ
●山田大槌 陸前高田 元気出そうよ 石巻
●津波にゃ負けても 命があれば いつか希望の 朝が来る
●流した涙も いつかは乾く 共に生きよう 負けないで
御神輿の渡御(とぎょ)は下記で見られます。
2011年は、いちょう通りでの競演はありませんので、ご注意!
7月17日(日)午後4時~6時30分
平沼地区
赤く塗られた道路を神輿が練り歩きます
栄町1区~3区は17時~18時頃、ガスト前で競演しますよ